番外編3(海外)
★南港展覧館駅(台湾。台北MRT文湖線・板南線)★ 野宿日:2019/12![]() 台北市の東の端っこに位置する南港展覧館駅から、徒歩3分ほど。台鉄の南港駅からでも徒歩10分ほどの場所に、ドミトリー「1969ブックホステル」がある。台北の安宿は、台北駅周辺の中正エリアに集中しているので、南港エリアでは貴重な存在と言えるかもしれない。今回は土日の連泊だったのでやや高くついたが、それでも2泊で3200円ほど。平日だったら1000円を少し超えるくらいで1泊できるだろう。駅から近い大通り沿いで場所が分かりやすいのも利点。南港展覧館駅から行くのなら、駅前を南北に走る大通りの西側を南下していけばいい。南港駅から行く場合には、台鉄の南側を東西に走る大通り(省道5号線)を西に歩き、T字路に突き当たったところになる。交差点の斜め向かいにはコンビニ(ハイライフ)があるから、食糧等の調達もたやすい。 これまでに泊まった台北の格安ドミトリーに比べるとやや高めということもあり、コンパクトながらもきれいで使い勝手のよい施設だった。フロントには、片言ながら日本語が分かるスタッフもいた(常駐しているかどうかは分からないが)。1階にあるのはフロントのみで、部屋などは2階になる。ちょっと面倒だなと思うのは、外から部屋までの間にセキュリティドアが4箇所もあり、いちいちカードキーをかざさなければならないこと。せいぜい2箇所くらいでいいような気がするのだが。部屋は、通路の左右に縦型の2段カプセルが並ぶ、カプセルホテル風の大部屋。カプセルは、日本の一般的なカプセルホテルよりやや広いかなというくらい。鍵付きロッカーは、ベッドから少し離れたところにある。カプセル内にテレビがあるが、視聴は有料(117元≒433円)。高いので、テレビは共用ルームで見るのが吉だろう。シャワールームは、4基。当たり外れがあるのかタイミングの問題なのか、お湯が出たり出なかったりする。共用ルームは、3階。2階から3階への移動にも、カードキーが必要なセキュリティドアがある。いちいち面倒だな。共用ルームには無料のコーヒー・紅茶・お茶がある(マグカップも使用可)ほか、キッチンや電子レンジ、トースターも完備。無料で使用できる共用PCもあった。そして、テラスにて喫煙可。 総じて、わりと清潔&スタイリッシュで、初心者でも安心して利用できそうな施設だった。セキュリティレベルが高いのは、個人的には鬱陶しいと感じる部分だが、それを良しと考える人もいるだろう。特に女性にとっては、ありがたいことなのかもしれない。「天使青旅」や「芒果客棧」ほどには旅人同士の交流は生まれなさそうな雰囲気(実際、生まれなかった)だが、安眠を得ることに主眼を置くのならこちらを選択するのもアリだろう。価格差は、長期滞在でなければそう大きくは感じないレベルなので。 |
★西門駅(台湾。台北MRT板南線・松山新店線)★ 野宿日:2019/10![]() 台北からMRTでひと駅の西門駅。ネットでドミトリーの最安値を検索するとたいてい上位に表示される「エンジェルズホステル(天使青旅)」の最寄駅が、こちらになる。駅を東側に出て衡陽路を東に6〜7分歩けば着ける(衡陽路沿いの北側)ので、アクセス良好。なんなら、台北駅から歩いても10分少々だ。台北駅から歩く場合は、国立博物館がある二二八和平公園の西側の門前からずっとまっすぐ歩けばいい。歴史ある銀行を連想させるような立派なビルの2階にある。ワンフロア全部ではなく、一部。ビルに入って正面のエスカレータを上がって、左手だ。宿泊料は日によって変動するが、平日なら700円くらいで出ていることもある。こんな好立地にありながら、なんでこんなに安いのだろうかと思い、泊まってみた。ちなみに、フロントは英語が問題なく通じる。 泊まってみて、「あぁ、ここでコストを削ったんだな」と思うところが、3つあった。ひとつは、部屋。ドミトリーは2段ベッドであることが多いのだが、ここはなんと3段ベッドだった。ガバッと勢いよく起き上がると頭が天井にぶつかる低さ。それでも寝るだけなら特段不都合はないし、仮に最上段のベッドに当たっても(実際、私は最上段だった)、ハシゴではなく安定した階段で上がれる構造なので、さほど不便には感じない。ただし、鍵付きのロッカーがなく、ポーチ程度が入るセーフティーボックスのみになる。貴重品の取り扱いだけ、少々注意が必要だ。2つめは、共用スペース。これがたいへん狭い。食事をしようにも、空席がない場合が結構多い。また、共用スペースでの話し声が寝室に結構漏れ聞こえてくるので、神経質な人は一晩中眠れないかもしれない。ただ、共用スペースが空いている時間帯もある(混み始めるのはだいたい20時くらいから)ので、うまくやりくりすれば館内食事もできる。ちなみに施設内は全面禁煙。喫煙所はない。タバコを吸いたい場合には、ビルの外まで出なければならない。衡陽路の斜め向かいにあるブティックみたいな店が店頭に灰皿を出しているが、それとて24時間使えるわけではない。多くの人は、路上で吸って吸い殻をポイ捨てしていた。そして3つめは、トイレ。なんと、施設内にはトイレがない。ビルの共用トイレを利用することになる(同じフロアにある)。シャワールームがあってトイレがないというのは、ちょっと不思議な感じがした。 総じて、狭いスペースに無理やり多客を詰め込んだ印象は拭えない。しかし、安さと立地の良さは大きな魅力だし、周りがあまり遠慮しないので私も遠慮なく振る舞えるという利点もある。個人的には、長期滞在は御免だが、1泊2泊くらいならまた利用してもいいかなと感じた。 |
★龍山寺駅(台湾。台北MRT板南線)★ 野宿日:2019/10![]() 龍山寺駅はMRT板南線の単独駅だが、台鉄の萬華駅からわりと近い。MRTの上を走る内山公路沿いにある格安ドミトリー「マンゴー53イン(芒果客棧)」は、どちらの駅からでも徒歩アクセスが容易だ。より近いのは龍山寺駅で、3番出口を出て左へ徒歩1分。萬華駅からだと、徒歩5分くらい。駅を北側に出て、古臭い住宅密集地を抜けると内山公路に出られる。大通り沿いにあってすぐ近くまでは容易に行けるのだが、建物の特定がなかなか難しい。目立つ看板等は出ておらず、ドアのところに小さく「MANGO」と表示があるのみ。このドアを開けるとすぐ階上へ続く階段になっている……ということは、通りに面した間口の広さはわずかドア1枚ぶんしかない。迷わないよう目印にしたいのは、大きな看板を出している「37℃健康保養廠」というマッサージ店。そのすぐ脇に「マンゴー53イン」の入口がある。ドアはオートロックで開かないので、インターホンで呼んで開けてもらう形。老朽化が目立つビルの2階と3階の一部が当該施設になっている。 宿泊料は、事前決済で800円程度。フロントは2階で、気のよいオジサン(おそらく個人経営)が対応。英語が問題なく通じるので、宿泊客は国際色豊か。6人部屋(2段ベッド×3)での宿泊だったが、同部屋にニュージーランドやカナダからの旅行者もいた。日本人も、私以外にもうひとり。私は2泊の利用だったが、私のような短期宿泊者よりも週単位での長期滞在者の方が多いようで、中には1か月以上滞在する人もいる。ニュージーランドの旅行者はその人(不在がちなので顔を合わせることはなかった)のことを「He is living here.」と紹介してくれた。ヌシみたいなものか。ここは、総じて中級者以上向けの施設だ。ベッドは簡素なパイプベッドでプライバシーなどほぼないに等しいし、トイレもシャワーも男女兼用。3階の共用スペースには洗濯物が雑然と干されてあり(コインランドリーあり)、喫煙所を兼ねたテラスは手すりが朽ちかけていて危険なムード。快適性を求めるのなら、もうちょっとお金を出して設備の整ったドミトリーに入った方がいいだろうし、同じ価格帯でも西門駅「エンジェルズホステル(天使青旅)」の方が初心者適性は高いと言える。「泊まる」よりも「暮らす」のイメージに近い施設だった。でも、何事も経験。このくらいディープなドミトリーで英語がちゃんと通じる施設は珍しいので、怖いもの見たさで泊まってみるのもいいかもしれない。 |
★機場第一航廈駅(台湾。桃園MRT機場線)★ 野宿日:2019/9![]() 桃園国際空港の第1ターミナルと直結している、桃園MRTの機場第一航廈駅。駅構内には横になれるようなスペースはないが、空港内にはベンチがたくさんある。中でも狙い目なのは、保安検査場がある2階。保安検査場を挟むようにして、クッションの利いたベンチが並ぶコーナーが2か所ある。このうち、東側のエリアには24時間営業のモスバーガーがある関係で、深夜帯でも結構人の出入りがある。ベンチも満席傾向。いっぽう、西側のベンチコーナーは、12時を過ぎると結構空いてくる。朝になるとまた混み始めるので、横になれるのはせいぜい4〜5時間くらいだが、一応仮眠ができる。コンセントも自由に使える。無料のシャトルトレインで往来できる第2ターミナルには無料のシャワールームもある(ただし、お湯は出なかった。水のみ)。極限まで安くあげたいのなら、一考の余地ありだ。 台北市内には700円くらいで泊まれるドミトリーがたくさんあるので、翌日台北市内で動くのならそちらを利用した方がいい。空港までのMRT運賃を考慮すると、快適でないうえにたいして安くもならないから。ただ、翌朝一番の飛行機で桃園を発つのなら、グッと空港仮眠の価値が高まる。台北市内で宿泊すると、午前2時にチェックアウトして、MRTが走っていない時間帯だから空港までタクシー、なんてことにもなりかねないので。格安のLCCは朝早くに飛ぶ便が多いから、必然的に台湾滞在最終日に空港野宿、というパターンが多くなるのではないだろうか。 |
★台中駅(台湾。台鉄西部幹線(台中山線))★ 野宿日:2019/10![]() 台中市は300万近い人口を抱える大都市だが、公共交通の便があまりよくない。鉄道は高鉄と台鉄だけで、いわゆる都市鉄道が走っていない。目下MRTの建設が急ピッチで進められているけれど、現状では車やバイク、バスに頼らざるを得ない街。だから、渋滞がとても激しい。台北よりも、だいぶ埃臭い街だ。そんな台中では、台中駅から北西方向へ徒歩10分弱、台中公園の少し手前にあるドミトリー「和マ商旅」に3連泊した。宿泊料は、事前決済で1泊あたり1300円くらい。台北や高雄よりはやや高いが、このくらいの価格帯で夜露をしのげるのはありがたい。フロントは、英語が通じる。私より流暢。 古臭いビルの4階部分までがきれいにリフォームされており、このうち1・2階が「和マ商旅」。1階にフロントと共用スペース(飲食可)、喫煙所。2階に部屋とシャワールーム、コインランドリーなどがある。屋上に出られないのがやや残念だが、裏口の外にある喫煙所にもテーブルや椅子が出されているので、外の空気を吸いたくなったときにはこちらへ。部屋は、いくつかのタイプに分かれている。私が泊まったのは、一番安い2段ベッドタイプ。わりと清潔感があって、鍵のかかるロッカーや遮光カーテンも完備。ベッドの配置にもゆとりが感じられた。他に、テントタイプの部屋やコンテナタイプの部屋もある。複数人で泊まるのなら、これらを利用するのもアリだろう。 シャワールームやトイレも清潔で、女性客も結構多かった。総じて、設備はかなり整っている方だ。加えて、無料朝食のサービスがある。トーストとドリンク程度ではあるが、とりあえず何か腹に入れておきたい場合にありがたい。外で食べたいものがたくさんある私は、トーストで腹を満たしてしまうのがもったいなく感じて、1回しか利用しなかったが。唯一気をつけたいのは、エレベーター。フロントとエレベーターホールの間に鉄扉があって、そのすぐ手前に結構な高さの段差がある。特にエレベーターで降りてきてフロントや共用スペースに行くときに、注意が必要。先が見えない鉄扉を開けるとすぐに段差、というトラップみたいな構造なので。それ以外は、快適そのものだった。 |
★嘉義駅(台湾。台鉄西部幹線(縦貫線南段))★ 野宿日:2019/9![]() 嘉義駅周辺にはいくつかのドミトリーがある。どこも一長一短なので「ここがイチオシ!」というわけではないのだが、当てずっぽうで駅からいちばん近いと思われる「ライトホステル(現地表示名:承億軽旅嘉義館)」に泊まってみた。行き方としては、前站(日本風に言うと「正面口」)を出て仁愛路を右斜め方向に進み、光彩街を左折して2分くらいの左側。安いドミトリーは外観が地味で、気付かずに通り過ぎてしまうこともあるのだが、ここはガラス張りの玄関に「Light」と象ったネオン管があるので、むしろ夜の方が分かりやすい(私は夜間到着だったが、一発で分かった)。迷わずに歩ければ、駅歩5分までかからないくらいだ。料金は、1泊1500円くらい(季節や曜日により異なる。今回は日本での事前決済利用のため、通貨レートによる変動もある)。フロントの英語通用度は、私と同じくらいのレベル。流暢ではないが、通じることは通じる。日本語は通じない。 私が泊まった部屋は、4人部屋(2段ベッド×2)だった。それほど広くない。6畳か8畳くらい。部屋内に、小さめのキャリーバッグくらいなら入る鍵付きロッカーあり。部屋の鍵もロッカーの鍵も、電子(カード)式。ベッドには遮光タイプのカーテンが備わっているので、同室になった人が夜中まで電灯をつけていても、まぁそれほど気にならない。部屋内に、トイレとシャワーのコンパートメントがひとつ。つまり、誰かがシャワーを浴びていると、トイレにも行けなくなる(部屋の外にも共用のトイレがある)。共用スペースは、フロント前と階上、屋上、そして玄関外にもあり、充実。共用キッチン(食器も使える)もあるし、コインランドリーも備わっている。タバコが吸えるのは、1階玄関外のみ。施設のすぐ近くにはコンビニがない(駅近くに「OK超商」があるくらい)ので、必要な食料はチェックイン前に買っておくのがベストだが、玄関先にも飲み物の自販機はあった。また、フロント前に飲用可の水(蛇口)があるので、空のペットボトルを持っておくと、飲み水を補充できる。総じて、大きな不都合はなく、快適に過ごせた。ひとつだけ面倒だなと思ったのは、館内が土足禁止になっていること。靴は玄関で脱いで靴箱に入れなければならない。その靴箱もあまり大きくないので、果たしてハイカットの靴は入るのだろうか、と。少なくともブーツ系は入らないので、ご注意を。 |
★台南駅(台湾。台鉄西部幹線(縦貫線南段))★ 野宿日:2019/10![]() 台湾南部の二大都市のひとつ、台南市。その代表駅たる台南駅だが、実はあまり規模の大きな駅ではない。2階建ての駅舎自体わりと小ぶりだし、駅前広場も狭く、なんだかとても窮屈な印象を受ける。高鉄の台南駅からだいぶ離れているし、MRTが接続しているわけでもない、台鉄の単独駅。ちょっと従前の予想とは違っていた。台中駅みたいな、「いかにもターミナル!」という駅舎を予想していた。 安く宿泊できるドミトリーの類も、隣接する高雄市に比べるとかなり少ないし、値段も高い。多くのバックパッカーは、台南での宿泊を避けて高雄に宿をとるのではないだろうか。そんな中、私が宿泊したのは、台南駅から徒歩10分弱くらいのところにある「東寧文旅」。基本的には個室のシティホテルなのだが、1階部分がドミトリーになっていて、安く泊まれる。安いと言っても、台北や高雄より高い。宿泊料は、現地決済で403元(≒1491円)だった。台北の場末ドミトリーなら2泊できる価格だし、事前決済に対応していないのも不安といえば不安。行き方は、駅の前站(表口)を出て左斜め前方向の中山路を歩き、ロータリー形式の交差点で民生路を右折して3分くらいの左側。間口の狭いビルなので、夜間は見落としやすいかも。フロントは、英語がまったく通じない。もちろん、日本語もダメ。台湾語はペラペラに話せなくてもなんとかなるが、挨拶と数の数え方くらいはマスターしておいた方がいい。 部屋は、2段ベッド×3の6人部屋だった。ベッドとベッドの間隔はわりと広いし、ベッド自体も場末のドミトリーにありがちなパイプベッドではなく木製の重厚なもので、サイズも結構大きかった。身長180cm超えの私でもガッツリ足を伸ばして寝られる。しかも嬉しいことに、この日6人部屋に宿泊したのは私だけ。貸切状態だった。トイレもシャワーも6人部屋の中にあるので、こちらも貸切。隣にもうひとつ6人部屋があるようだが、共用スペースでもフロント係のおばちゃん以外誰にも合わなかったので、この日のドミトリー宿泊者は完全に私だけだったようだ。共用スペースでは、持ち込みでの飲食ができるほか、コーヒーの無料サービスもある(ドリップ式で、セルフ)。言葉が通じないなりにおばちゃんの愛想もよいし、総じて満足度が高かった。また泊まってもいいな。台帳に記入するだけで借りられる無料のレンタサイクルがあるので、連泊して中日に自転車で動き回るのもいいかも。ただ、台南の交通マナーはあまりよくない、というかはっきり言って悪いので、車道を走る際には特に要注意。原付は基本的に歩行者や自転車を避けてくれないと思った方がいい。 |
★美麗島駅(台湾。高雄MRT紅線・橘線)★ 野宿日:2019/10![]() 十字型に走る2つの高雄MRT路線の交点である、美麗島駅。新左営や高雄に比べてマイナーな印象の駅だが、高雄市内交通の要衝であることは間違いない。それでいて、駅周辺はあまりゴミゴミしておらず、いかがわしいムードがない。東京に例えるなら、西新宿のような雰囲気だ。それだけに、駅から徒歩10秒(1番出口を出て左すぐ、華南銀行ビルの6階ワンフロア)という最高立地にあるドミトリー「トリップGGホステル(旅聚居青年旅舎)」も、コンパクトながら清潔感があり、洗練されたムードの施設だった。しかも、安い。宿泊料は、事前決済で1000円程度だ。フロントが英語堪能なので、欧米系の宿泊者が多い。日本語は話せないようだが、各種貼り紙等には日本語も併記されている。 エレベーターを降りたところで靴を脱ぎ、スリッパに履き替えてから館内へ。入口から見て右手にフロント、その奥に共用スペース。左手にトイレとシャワールーム、ランドリー。そして正面と左手前に2段ベッド×3の6人部屋が12室。ベッドは横開きタイプで出入りしやすいが、反面、同室の宿泊者の足音や衣擦れ音、ロッカー(鍵付き)前でガサゴソやる物音などがやや大きく聞こえる。共用スペースでは、飲み物やカップ麺などの販売もある。コーヒーなどは無料で飲み放題。簡易的なキッチンがあり、自由に使えるのもありがたい。鍋などの調理用具や食器類も使える(もちろん、洗って返却)。朝食の無料サービスもあり。トーストのみではあるが、軽く腹ごしらえをしたい場合には重宝する。ただ、提供時間が8〜11時というのは、個人的にはやや使い勝手が悪く感じた。私はもっと早くに動き始めたいタイプなので、6〜9時とかにしてほしい。ランドリーも利用してみた。コイン投入式ではなく、フロントでお金を払って使うパターン。洗濯機50元(洗剤無料)、乾燥機50元。計100元(≒370円)になってしまい、ちょっと高い。非常階段のテラス(乾燥機はここにある)に吊るして乾かせば、乾燥機ぶんは節約できそうだが。 値段を考えれば、快適性は申し分なし。高雄のドミトリーのレベルの高さを、改めて思い知った。ただし、喫煙者は注意を。館内は完全禁煙で、喫煙所などは一切ない。吸いたい場合にはビルの外まで出なければならない。特に夜間はビル自体の出入口が施錠されるので、吸いに出るときにはトークンタイプの電子キーを忘れずに携行すること。 |
★中央公園駅(台湾。高雄MRT紅線)★ 野宿日:2019/9![]() 高雄は、ドミトリーの相場が安い街。1泊1000円くらいからあり、台中や台南よりもだいぶ安い。もちろん、嘉義より安い。台湾南部では、もっとも安く泊まれる街だと言える。台北にはもっと安いところがたくさんあるが、台北のドミトリーはピンキリの格差が結構激しい。安いからといって飛びつくと、とんでもなく不衛生だったり、個人経営で胡散臭い雰囲気だったり、エレベーターがなかったりといったことが珍しくない。その点、高雄のドミトリーは、安くてもそこそこ設備が整っていて、綺麗。MRT中央公園駅から南へ3分くらいのところにある「バックパッカーズイン高雄(現地表示:貝殻窩港都青年旅舎)」も、1泊1200円程度(平日)なのに、必要なものがひととおり揃っていて、なおかつ結構清潔感もあった。 MRTの上を走る大通りに面していて、ステカセキングみたいな個性的な外観の建物なので、とても分かりやすい。フロントは1階で、英語がほぼ完璧に通じる。1階には、フロントのほか飲食可能なロビーと、セルフ式の売店(陳列されている商品を自由に取って、料金箱に現金を入れる。道端の産直売店みたいな方式)がある。チェックイン時に渡されるカードキーがないと動作しないエレベーターで、階上の宿泊ルームへ。各階に共同トイレとシャワーがある。私が泊まったのは5階で、部屋は4人部屋(2段ベッド×2)だった。わりと堅牢な造りのベッドで、寝返りを打ってもギシギシきしまないのがありがたかった。安いところは、通販で売っていそうなパイプベッドのことが多いので、特に上段は結構きしむのだ。半面、カーテンを閉めていると冷房が利きづらいという難点はあったけれど。また、男女相部屋で、実際に同室に女性も泊まっていたので、こういうところを気にする人は要注意(女性専用ルームもある)。ロッカーは、ナンバーロック式。最上階に、無料の飲水器あり。そして屋上に、ランドリーと喫煙所、お菓子などの産直型無人売店、共用スペースがある。総じて、バックパッカーが痒いと思うところにことごとく手が届いている造りで、たいへん居心地がよかった。これほど整った施設に1200円で泊まれるなんて、驚きだ。台湾南部を旅する際には、ぜひオススメしたい。 |
★台東駅(台湾。台鉄東部幹線(台東線)・南廻線)★ 野宿日:2019/10![]() 台東駅は、台東市の中心部から5kmほど離れた場所にあり、なかなか不便な街。なぜこんな場所に台東駅があるのか。もちろんそこには理由がある。1920年代に北から敷設された台東線の終着・台東駅(旧)は、台東市の中心部にあった。その後、1985年に南廻線が部分開業したのだが、その際、台東駅(旧)ではなくその隣の卑南駅に接続することになった。同時に、卑南が台東新駅に改称。そして2001年に台東新・台東(旧)間が廃止になり、台東新駅が台東駅に改称、現在に至っている。台東新・台東(旧)間を廃止せずに盲腸線として残しておけばよかったのに、と思わないでもないが、こうして台東市は観光客からしばしば「絶望的に遠い」とまで言われるほど鉄道が不便な街になってしまった。そんな街だから、駅自体は結構大きいものの、駅前を少し外れるともう閑静な住宅地になり、もっと言うと未開の荒れ地が目立つような光景が広がる。街灯りが少なく、夜間歩きの際には少々身構えてしまうような街だ。 宿泊施設は、街の中心部に多い。安く泊まれるドミトリーの類は、私が調べた限りでは台東駅から歩ける範囲内には1軒しかなかった。それが、今回泊まった「K2ホステル(二高軽旅)」。ちゃんと測っていないが、体感的には駅歩7分くらい。さほど遠くないが、住宅地の中にある民家風(というかペンション風というか)の外観の施設だから、近くまで行ってから少々迷った。施設近くにコンビニなどは一切ないので、必要なものは駅周辺で揃えておいた方がい(駅近くに、コンビニやわりと遅くまで営業している弁当店あり)。宿泊料は、事前決済で1600円少々。大都市に比べて割高になるのは、絶対的な需要が少ないだけに仕方ない部分だろう。フロントは、英語バッチリ。1階がフロントと共用スペースで、部屋やシャワールームなどは2階になる。 私が泊まったのは、2段ベッド×4の8人部屋。先着順でベッドを選べるシステムなので、シャワールーム脇は嫌だとか、上段がいいなどといったこだわりがあるのなら、チェックイン時間を早めるといいだろう。わりと大きなベッドで、遮光カーテンも設置されていた。快適性は、総じて上々。部屋の設備はもちろんだが、なんといっても周辺環境が静かなのがいい。大都市ではないから、街が寝静まるのが早いのだ。それにつられるかのように、宿泊者もあまり夜遅くまでやいのやいのと騒がないから、ぐっすり安眠できた。ちなみに宿泊者は、大半が台湾人か中国人。欧米系はひとりも見なかった。便利で賑やかな大都市もいいけれど、たまにはこういう長閑な地方都市で長い夜を過ごすのも悪くない。台湾に限らず、今後海外旅行のプランを練る際に参考にしたい経験となった。 |