番外編1(離島など)

★天売島(北海道羽幌町)★  野宿日:2007/9

  羽幌港からフェリーで約1時間、日本海に浮かぶ双子島・焼尻島と天売島。季節によってフェリーの便数が大幅に変わるのだが、9月に行くのであれば、両方の島を日帰りで巡るのはダイヤ的に不可能。必ず、どちらかの島で1泊しなければならない。私は、1便(始発便)フェリーで焼尻に渡り、焼尻を観光して、2便(最終便)で天売に渡った。そのため、天売で1泊することに。逆のパターン(1便で羽幌→天売、2便で天売→焼尻)で巡ることも可能。というか、島についてよく下調べをしていたなら、焼尻1泊になるように予定を組んだだろう。
  というのは、天売島にはマムシがうようよいるため。集落の外では、随所に「マムシ注意」の看板が立てられている。私は「ヒグマがいない」ことにすっかり安心していたものだから、半袖短パンという軽装で歩いていたのだが、道が狭くて藪からあまり距離を取れないような場所もあるし、海鳥観察舎や灯台へ行くには未舗装の踏跡を通らなければならないので、マムシ対策は厳重に。
  さて、マムシに怯える中、私が夜を明かしたのは、天売港とその付近の集落を見下ろす高台にある、「愛鳥公園」。屋根付きベンチがあり、少し離れているがトイレもある。マムシが怖い人は、極力夜中にトイレに行くのは避けた方がいいと思うが、少なくともベンチがあるあたりはマムシが出そうな気配はない。ただ、マムシの代わりに蚊の大群が出る。ふと腕を見ると、10匹以上たかっていて、ビックリした。すぐに蚊取り線香を焚いたので、被害は最小限で済んだが。
  なお、天売島には(焼尻島にも)公衆浴場はない。キャンプ場は一応あるが、マムシが出そうな臭いがプンプンする。焼尻島で野宿する場合には、島の西端にある「鷹の巣園地」がオススメ。屋根付きベンチとトイレがあり、見晴らしがよい。快適な目覚めを得られるだろう。
★粟島(新潟県粟島浦村)★  野宿日:2005/5

  島内にはきちんと整備されたキャンプ場があり、テントの貸し出しも行われている(村役場にて。1張1000円〜)。しかし、私はどうにも天邪鬼で、「野宿するために整備された場所」ではあまり野宿する気になれない。同業者がたくさんいるのが煩わしいということもある。そこで、私は釜谷集落内にある公園で夜を明かした。GWだとまだ寒いかなと思ったが、シュラフさえ持っていれば快適に眠れる。屋根付きの長いベンチがあり、トイレもある。
  島内には、内浦と釜谷の、2つの集落がある。このうち、港があるメイン集落は内浦。内浦集落にも夜を明かせそうな公園はあるのだが、夜釣り客などが夜中にもウロウロしているので、あまり落ち着いて眠れそうにない。ただし、島内唯一の公衆浴場「おとひめの湯」は、内浦にある。釜谷は、外海に面した漁業集落で、内浦から歩くと2時間ほどかかる。公共交通機関がない(昼間なら観光船「シーバード」を集落間の往来に使える。所要25分600円)ので、風呂上がりに歩くにはちょっと気合いが必要。また、当然ながら道中には街灯などなく、道幅が狭くて急峻な崖の上を通っている部分もあるので、懐中電灯は必ず携行すること。また、夏場は藪蚊が多いそうなので、蚊取り線香も持っていた方が安心。
★種子島(鹿児島県西之表市)★  野宿日:2008/9

  種子島は結構大きな島だが、野宿する必要がありそうなのは西之表港付近くらいのものなので、そのつもりで話を進める。本土から種子島へ渡る船便はいろいろあるが、もっとも安いのは鹿商海運フェリー「はいびすかす」だ。安くあげたい学生などは、たいていこれを使う。「はいびすかす」は鹿児島・谷山港(市街地から10km以上離れているので、利用時には要注意。最寄り駅は五位野駅)を18時に出港し、種子島(西之表)に21:40に着く。西之表で明け方まで待機した後、屋久島(宮之浦)に翌朝7時着く。だから、屋久島まで行く(利用者の大部分は屋久島まで行く)のであれば、船内で夜を明かせることになる。種子島で降りる場合には、明け方まで船内待機させてくれればよいのだが、残念ながら21:40に降ろされてしまう。21:40に島に上陸しても、街はすっかり寝静まっている(コンビニはある)ので、野宿するほかに手だてがない。
  港から一番近い公園は「埋立公園」という小さな児童公園。ここにはトイレとベンチが完備している。しかし、私が訪れたときには小雨が降っていてベンチが濡れていたので、パス。綺麗に手入れされた芝生敷きの公園で、非常に気持ちがよいので、晴れてさえいればここで何ら問題ないのだが。こうなると、港直近にはなかなか良い野宿候補地が見当たらなくなる。仕方なく、港から15分ほど南へ歩いたところにある「若狭公園」まで行くことにした。若狭公園は山一つ丸ごと公園に整備したような大きな施設で、そのてっぺんに2階建ての屋根付き展望台(写真は2階部分)がある。ここでなら、雨を心配することなく安眠できるだろう。目が覚めれば眼下に西之表市街が広がり、気持ちの良い朝を迎えられる。
  ただし、注意点が2点ほど。1つ、付近にはトイレがない。園内にはあるのだが、いざもよおしてから探したのでは手遅れになる可能性大。2つ、園内には照明がほとんどない。一寸先が崖、というような危険な場所ではないが、段差やぬかるみ(特に雨の日)などがあるので、懐中電灯は必携だ。虫はさほど気にならなかったが、蚊取り線香も焚いておいた方が無難。


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